住宅引き渡し後の1・2・5・10年点検を活用して信頼と受注をつかむ方法

住宅を引き渡した後、1年・2年・5年・10年と節目ごとに行う定期点検。
「義務だから」「クレーム回避のため」そう感じている住宅事業者も少なくありません。
でも実は、この点検こそが顧客との関係を深め、再受注・紹介を生み出す“営業以上の武器”になることをご存知でしょうか?
ここでは、それぞれの点検の意味と、実務での活かし方、売上につながる運用のポイントまで、具体的に解説していきます。
点検はコストではなく「関係性強化」の投資
住宅の引き渡し後に行う定期点検は、表面上は「施工確認」や「不具合対応」として機能します。
しかし本質はそこではありません。
“売ったあとにどう関わるか”こそが、顧客満足とブランド価値を決める要素です。
住まい手にとって、点検対応は会社の姿勢が最も現れる場。
施工直後の不安、住んでみて初めてわかる違和感、そんな時にしっかり向き合ってくれる会社は、「またお願いしたい」と思ってもらえる。
特に地域密着型の工務店や住宅会社にとって、紹介や再依頼の大きな起点がこの点検対応。
点検は、“営業せずに信頼を積み上げる”唯一の接点です。
1年・2年点検:初期不具合対応で「安心感」を提供する仕組み化
このタイミングでは、小さな施工のズレや設備の初期不良が出やすい時期。
床鳴り、クロスの浮き、扉の調整など、些細だけれど生活には影響があるものばかり。
ここで重要なのは、対応の早さと丁寧さ。
問題の大小ではなく、「ちゃんと向き合ってくれた」という体験が、施主の記憶に残ります。
また、チェック内容や顧客の声をしっかり記録し、誰が見ても分かる形式で社内共有できるようにしておくと、次の点検や提案がスムーズに。
誠実な対応の積み重ねこそが、「またお願いしたい」「誰かに紹介したい」につながる土台になります。
5年点検:経年劣化とライフスタイル変化に応じた提案のチャンス
5年も経てば、家にも暮らし方にも変化が生まれます。
設備の劣化、小さな外装の傷み、家族構成の変化。
ここで大切なのは、“気づいていない困りごと”を拾うこと。
「玄関が狭く感じてきた」
「子ども部屋が手狭になった」
「キッチン収納が使いづらい」
こうした声をキャッチし、リフォームや設備改善の自然な提案につなげるのがこのタイミング。
5年点検は、「まだ大丈夫」を「そろそろ考えよう」に変えるスイッチ。
“売る”のではなく、“寄り添う”ことが、結果として売上につながります。
10年点検:大規模修繕・リフォーム・保証延長を見据えた関係の再構築
10年目は多くの住宅保証が区切りを迎えるタイミング。
外壁・屋根の点検、設備更新の提案、保証延長の案内など、大きな工事につながる節目でもあります。
ここで重要なのは、「売り込み」ではなく「相談のきっかけ」を与えること。
例えば過去の点検履歴を活かし、
「そろそろ給湯器の交換時期です」
「塗装のタイミングが近づいています」
といった、“データに基づいたアドバイス”が信頼を後押しします。
さらに、このタイミングで関係が再び深まると、リフォーム・住み替え・紹介など、多方向に展開できる可能性が広がります。
定期点検を第三者に依頼するという選択肢
定期点検の重要性は理解していても、実際に継続・運用するとなると簡単ではありません。
- 「人手が足りない」
- 「担当者によって品質にばらつきがある」
- 「繁忙期はアフターが後回しになる」
そんな課題を抱えている住宅会社にとって、点検業務の第三者委託は有効な選択肢です。
第三者点検のメリット
- 品質の標準化と中立性:外部からの客観的な視点が、顧客に安心感を与える
- 業務負担の軽減:社内スタッフが本業に集中でき、施工品質や営業力が強化される
- 提案の根拠が明確に:写真付きの報告書が残り、リフォーム提案の説得力が増す
- 継続的な信頼形成:中立だからこそ本音を引き出しやすく、“相談される関係”が育つ
TENKENに定期点検を依頼してみては?
住宅の定期点検を専門に請け負う**「TENKEN」**では、
- 点検の実施
- 写真・報告書の作成
- データの蓄積と管理
- 必要に応じたリフォーム連携提案
までをトータルでサポート。
点検を“負担”から“価値提供”に変える仕組みを提供しています。
「すべてを自社で抱え込まない」ことで、
“信頼づくり”に集中できる体制が整い、紹介・再依頼につながる流れが生まれます。
顧客満足→紹介・再受注につなげるアフター点検の運用ポイント
誠実な点検対応があってこそ、顧客満足が生まれます。
でも、それを成果に変えるには「仕組み」が必要です。
- 点検記録のデジタル管理
- 社内共有できる報告書テンプレート
- 点検後の感謝メールやフォロー施策
- 紹介カードやニュースレターとの連動
これらを整備することで、「点検が終わったら関係も終了」ではなく、
“点検が次の仕事の始まり”になる流れをつくることができます。
まとめ:点検は「信頼を売上に変える回路」
定期点検は、住宅事業者にとって**“売上を生むための関係構築のインフラ”**です。
- 点検で信頼をつくり
- 暮らしの変化を拾い、自然な提案をし
- データを蓄積し、仕組みに変え
- 顧客をリピーターや紹介者に育てる
この流れができれば、単発の売上ではなく、継続的な経営資産が築けます。
「建てて終わり」ではなく、「その後」を共に歩むパートナーとして、
アフター点検を経営戦略のひとつとして見直してみませんか?

