施工中検査で押さえておきたい3つのポイント

新築住宅の建築現場において、施工中の品質チェックは、完成後では見えなくなる部分を確認できる、最も重要なタイミングのひとつです。
しかし現実には、「いつもやっているから大丈夫」「最後にまとめてチェックすればいい」といった油断や、人手不足によるチェック体制の簡略化などが原因で、後戻りのできない工程でのトラブルが発生するケースが少なくありません。
この記事では、累計8,000件以上の検査実績をもつTENKENの視点から、施工中検査でとくに重要と考える3つのポイントを解説いたします。
現場で品質を守るための“基本”として、ぜひご活用ください。
1. “見えなくなる前に確認する”構造・配管まわり
施工中検査でまず最優先すべきは、壁の中や床下など「施工後に見えなくなる箇所」の確認です。
たとえば配管ルートや勾配、断熱材の設置状況、構造金物の種類や配置、ビスの打ち忘れ──
これらは一度仕上げてしまうと、たとえ不具合があっても修正のために大掛かりな解体が必要になります。
とくに配管の施工不備は深刻で、たとえば「勾配が逆だった」「結合部の固定が甘く水漏れした」といったトラブルは、完成から数ヶ月後に“床下が濡れて初めて気づく”といったパターンも珍しくありません。
施工中検査では、工事の進捗に応じて各工程ごとに現場へ足を運び、図面との整合性・工法の適正・取り付け状況などを、客観的に目視+撮影で記録します。
これにより、“見えるうち”にリスクを発見し、手戻りやクレームを回避することが可能になります。
2. 報告書で“証拠”を残すことで、万一の備えにもなる
TENKENではすべての施工中検査について、写真付き・コメント付きの報告書を作成・提出しています。
この報告書には、検査日・対象工程・検査項目・現場写真・チェック結果などを体系的にまとめており、社内の品質管理資料や、元請け・施主への提出資料としてもご活用いただけます。
実際に、施工後に不具合が発覚したケースにおいても、「どのタイミングで」「どの施工状態で」検査を行っていたかが記録されていることで、責任分担の明確化や原因追跡がスムーズに行えた例があります。
また、「記録として残る」と分かっているだけでも、現場側の意識改善にもつながります。
報告書は単なる検査結果ではなく、“検査が実施されたこと自体の証明”として、クライアントや関係者への信頼醸成にも大きく貢献するツールとなります。
3. “外部の視点”が現場品質を引き締める
現場では、施工者自身が「いつも通りやっている」と思っている内容でも、第三者から見ると施工基準や図面との齟齬が生じているケースが少なくありません。
たとえば固定金具の種類、釘の本数、施工手順など、細かいポイントにこそ“見落とし”が潜んでいます。
外部検査を入れることで、現場は「常に見られている」という緊張感を持つようになります。
これは単に指摘を受けるということではなく、「施工の質を客観的に評価してもらえる」というモチベーションにもつながります。
TENKENでは、検査の際にも職人や現場管理者と丁寧にコミュニケーションを取り、
単なるチェックではなく“現場改善のためのフィードバック”としての関わりを心がけています。
こうした積み重ねによって、施工精度の向上だけでなく、現場チームの育成にも寄与できると考えています。
施工中検査は、完成後の不具合を未然に防ぐだけでなく、現場全体の品質意識を底上げし、関係者全体に安心と信頼を提供する“現場マネジメントの一環”です。
「外部検査はコストがかかる」と思われがちですが、トラブルや手戻りのリスク、信頼の低下による損失を防げることを考えれば、その価値は非常に高いと言えます。
TENKENでは、施工内容や工程に応じた最適な検査プランをご提案しています。
品質を守り、信頼を築くパートナーとして、ぜひご相談ください。